"ナウル共和国は、広い広い海の真ん中に浮かぶ、ちいさな宝石のような島。ナウルくんは、この島が大好きで、毎日島のあちこちを探検するのが楽しみでした。"
"ナウルくんは毎日、島のあちこちを探検するのが大好きでした。白い砂浜、きらめく海、そして、ゴツゴツとした石灰岩の丘。特に、昔リン鉱石を掘っていた場所に残る、不思議な形をした岩の柱「ピナクル」は、ナウルくんのお気に入りの場所でした。"
"ある日、ナウルくんはピナクルの影で、不思議なものを見つけました。それは、岩の間から顔を出す、小さな緑の芽でした。周りのごつごつした岩とは対照的に、その芽はとても柔らかく、生命力にあふれて見えました。"
"「こんな場所にも、新しい命が生まれるんだ!」ナウルくんは驚いて、急いでおばあちゃんのウミさんに話しました。ウミさんは、いつも島のことをたくさん知っていて、ナウルくんの質問に優しく答えてくれる人でした。"
"ウミさんは、ナウルくんの手を取り、静かに語り始めました。「この島はね、昔からたくさんのものを私たちに与えてくれた。そして、どんなに変わっても、命は必ず戻ってくるのよ。」"
"ウミさんは、昔、島がリン鉱石で豊かだった頃の話をしてくれました。たくさんの船が島にやってきて、人々が活気に満ちていたこと。そして、その後の島の変化、ピナクルが生まれた理由についても。"
"「でもね、ナウルくん。自然はいつも、私たちに新しい希望を見せてくれるの。あの小さな芽のようにね。ナウルは、これからもずっと、私たちの大切な故郷なのよ。」ウミさんは、優しくナウルくんの頭をなでました。"
"ナウルくんは、その小さな芽が、もっと大きく育つように、毎日水をあげに行きました。島の真ん中にあるブアダ・ラグーンの近くから、水を汲んで、そっと芽に与えました。芽は少しずつ、少しずつ、大きくなっていきました。"
"ある日、ナウルくんが芽を見に行くと、その隣に、美しい鳥がとまっていました。それは、ナウルの空を自由に飛ぶ、グンカンドリでした。グンカンドリは、芽の周りをゆっくりと飛び回り、まるで新しい命を祝福しているようでした。"
"ナウルは、ちいさな島だけど、たくさんの命が息づいています。ナウルくんは、この島の未来が、あの小さな芽のように、希望に満ちていることを知っていました。いつか、この島が緑でいっぱいになる日を夢見て、ナウルくんは今日も島を見守っています。"
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