リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) | Gemini Storybook
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 1
"リクには、ほしいものがひとつだけありました。それは、ジーンズです。かっこいいお兄さんたちがはいている、あのくたっとした青いズボン。公園のベンチにすわっては、うらやましそうにいつもながめていました。"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 2
"「おばあちゃん!」リクは家にかけこむと、息をはずませながら言いました。「ぼく、ジーンズがほしいんだ!お店で売ってる、すっごくかっこいいやつ!」"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 3
"おばあちゃんは、にこにこしてリクの話を聞いていました。そして、編み物のかごのとなりにある、大きな木の箱を指さしました。「リクや、特別なものはね、すこしだけお手伝いをしてから手に入れると、もっともっと特別になるんだよ。」"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 4
"箱の中には、色とりどりのボタンがたくさん入っていました。赤、青、黄色、緑。ぴかぴかのボタン、ざらざらのボタン。「このボタンを色ごとにわけておくれ。そうしたら、おばあちゃんがとびっきりのズボンを作ってあげよう。」"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 5
"リクは、さっそくボタンの仕分けをはじめました。はじめは楽しかったのですが、やってもやってもボタンはなくなりません。「こんなにたくさん…」リクはちょっとだけ、くじけそうになりました。"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 6
"でも、お店で見たかっこいいジーンズを思い出すと、また力がわいてきました。三日目の午後、とうとう最後の一個を分けおわりました。「おばあちゃん、できたよ!」"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 7
"おばあちゃんは、リクのがんばりをうれしそうにながめると、大きな布を取り出しました。それは、夜の空みたいな、ふかい藍色の布でした。チクチク、カタカタ。ミシンの音が、心地よく響きます。"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 8
"次の日の朝。リクのベッドの横に、新しいズボンがたたんでありました。お店で見たのとは、すこしだけ違います。ポケットのところに、リクが仕分けしたボタンの中から選んだ、太陽みたいな黄色いボタンがひとつ、きらりと光っていました。"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 9
"はいてみると、びっくりするくらい、ぴったりでした。まるで、リクのために作られた、世界に一本だけのズボンです。ただのズボンじゃない、リクのがんばりと、おばあちゃんの愛情がつまった、特別なズボンです。"
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リクのあたらしいズボン (Riku's New Trousers) – Page 10
"リクは、新しいズボンをはいて公園にかけだしました。もう、お兄さんたちのズボンがうらやましくなんてありません。だって、リクのズボンが、世界でいちばん、かっこいいのですから。"