"さばくのまんなかに、ミーアキャットのあかちゃん、マックとミリーがくらしていました。よるになると、おかあさんはキラキラひかるおほしさまのしたで、ひろくてあおい「うみ」のおはなしをしてくれました。「うみは、おさとうみたいにしろいすなはまがあって、どこまでもつづくんだよ。」"
"「うみをみてみたい!」マックとミリーのむねは、わくわくでいっぱいになりました。つぎのあさ、おかあさんがまだねむっているあいだに、ふたりはそっとあなぐらをぬけだしました。ちいさなぼうけんのはじまりです。"
"ふたりがあるいていると、いわのうえに、おおきなフクロウがとまっていました。「こんにちは、フクロウさん。うみはどっちにあるか、しっていますか?」フクロウはかしこいめをぱちくりさせて、おおきなはねでむこうがわをさしました。「あのさきだよ。きをつけていきなさい。」"
"フクロウさんにおしえてもらったほうへ、ふたりはどんどんあるきました。でも、あるいてもあるいても、さばくはひろくて、たいようがぽかぽかてらします。ミリーはすこしつかれて、すなの上にしりもちをついてしまいました。「マック、まだつかないのかなあ?」"
"そのとき、「おやおや、どうしたんだい?」と、やさしいこえがしました。みあげると、そこにはおおきくてしんせつそうなラクダがいました。「うみにいきたいの。でも、つかれちゃって。」ふたりの話をきくと、ラクダは「わたしのせなかにのりなさい」と、ゆっくりすわってくれました。"
"ラクダのせなかは、たかくてふかふかでした。そこからみるさばくは、いつもとちがってみえます。マックとミリーは、ゆられながら、とおくのけしきをながめました。「みて、ミリー!なんだかじめんのいろがちがうよ!」"
"しばらくいくと、いままでかいだことのないにおいがしてきました。すこししょっぱい、かぜのにおいです。そして、とおくから「ざー、ざー」というおとがきこえてきました。「このにおい、このおと、もしかして…!」ふたりはかおをみあわせました。"
"ラクダがすなのおかをこえると、めのまえに、キラキラひかるせかいがひろがりました。おかあさんがおしえてくれた、あおくておおきな、うみです!「わーっ!」マックとミリーは、いままでだしたことのないくらいおおきなこえでさけびました。"
"ふたりはさっそく、しろいすなはまにおりました。きれいなかいがらをひろったり、よせてはかえすなみとおいかけっこしたり。しょっぱいみずをすこしだけなめてみて、びっくりしてかおをみあわせたりもしました。"
"たくさんあそんで、おなかがすっかりまんぞくしたふたりは、またラクダさんのせなかにのって、おうちにかえりました。おかあさんは、ふたりをだきしめて「おかえり」といいました。ふたりは、うみのすてきなおもいでをむねに、すやすやとねむりにつきました。"
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