キシアの一手 daily life story for 18+ years children in Japanese featuring healing themes

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キシアの一手

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"彼の名はキシア。「四人将棋の人」と呼ばれる男だ。普段はインターネットと神奈川を行き来している。"
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"平日はごく普通のデスクワーカーだ。毎朝、満員電車に揺られて会社へ向かう。キーボードをカタカタと叩きながら、時に集中し、時に頭の中は将棋のことでいっぱいになる。"
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"「あの角の使い方がまずかったか…」キシアの頭の中では、昨夜の対局の駒たちが激しくぶつかり合っていた。ふと同僚の声が聞こえてきて、我に返るのだった。"
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"帰りの電車では将棋アプリを開く。規定の対局数が終わると、将棋系VTuberの配信を開いて、ネットニュースに目を通す。最近はV名人戦が熱いのだ。"
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"週に1度、火曜の夜は特別な時間。お気に入りのYouTube番組「指す順放送局」の配信があるからだ。ソファに腰かけると、コンビニで買ったビールを片手に、ボケーっと画面を見ているのだった。"
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"そして、運命の対局日。「指す将順位戦」の大一番だ。終盤は60秒いっぱい使い、丁寧に丁寧に読みを入れていく。"
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"負けた時、疲れた時、土曜日の夜には、癒やしの時間が待っている。パソコンの前に座ると、「四人将棋」の画面を開く。時間になり、ぞろぞろと人が集まってくる。"
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"四人将棋は、カオスな展開が魅力だ。誰かが奇想天外な手を指しては盤上に大混乱が起こる。チャット欄は盛り上がり、この瞬間がどうしようもなく楽しいんだとキシアは再確認して過ごした。"
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"週が明け、駅のホームで満員電車の到着を待つ。あの敗戦も、あのカオスな夜も、すべてが血肉となり、次のエネルギーに変わっていた。"
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"さあ、次の一手はどうしようか。キシアが指す。あなたは、どう返してくるだろうか。"
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