キーちゃんの空 | Gemini Storybook
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キーちゃんの空 – Page 1
"これは、むかしむかしの戦争が、もうすぐ終わるころのお話。海が見える静かな町に、キーちゃんという女の子が住んでいました。その日、町はしんとしていて、キーちゃんはひとりで道を歩いていました。"
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キーちゃんの空 – Page 2
"どこからか、音が聞こえてきました。「ブーン…」。車の音かな?キーちゃんは立ち止まって、耳をすましました。でも、音は車の音とは少しちがって聞こえました。"
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キーちゃんの空 – Page 3
"音はだんだん大きくなります。空気をびりびりとふるわせるような、するどい音です。キーちゃんが空を見上げると、青空にぽつんと、黒い点が見えました。その点は、ぐんぐん大きくなってきます。"
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キーちゃんの空 – Page 4
"「戦闘機だ!」青くて、翼の先が折れ曲がった戦闘機。それは、まっすぐキーちゃんの方へ向かって、すごい速さで飛んできました。まるで、キーちゃんをめがけているかのようでした。"
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キーちゃんの空 – Page 5
"「にげなきゃ!」キーちゃんは夢中で走りだしました。でも、道はどこまでもまっすぐ。隠れる場所なんてありません。どの家も、戸をかたく閉ざしています。"
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キーちゃんの空 – Page 6
"戦闘機の音が、もうすぐそこまで迫っています。「だめだ…」キーちゃんがそう思ったとき、道のわきにある木の塀に、小さな戸が少しだけ開いているのが見えました。"
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キーちゃんの空 – Page 7
"キーちゃんは、最後の力をふりしぼって、その小さなすきまに体をねじこみました。"
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キーちゃんの空 – Page 8
"そのとたん、「バリバリバリ!」と、耳をつんざくような音がしました。キーちゃんがさっきまでいたアスファルトの道に、黒い穴があき、土けむりが舞い上がりました。"
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キーちゃんの空 – Page 9
"キーちゃんは、戸の内がわで小さくなっていました。心臓が、今にも口から飛び出しそうなくらいドキドキしています。あと一歩おそかったら…。"
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キーちゃんの空 – Page 10
"これは、戦争中に本当にあった「グラマン狩り」というお話です。戦争は、理由さえあれば、人を人と思わなくさせてしまうことがあります。空から、小さな子どもですら、まるでゲームのようにねらう。そんな悲しいことを引き起こしてしまうのです。"