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呪われたコックリさん
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"放課後の誰もいない教室。薄暗い夕日が差し込む中、高校生のアカリ、ケンジ、ユミ、タケルは、軽い気持ちで「コックリさん」を試そうとしていた。机の上に置かれた十円玉と紙。彼らの顔には、好奇心と少しの悪戯心が浮かんでいた。"
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"「コックリさん、コックリさん、どうぞおいでください…」ケンジの軽い声が響く。十円玉がゆっくりと動き始め、「し…ね」と紙の文字を指し示した。「うわっ!」ユミが小さく悲鳴を上げた。コックリさんはさらに動き、「ケンジ…首吊り」「ユミ…溺死」「タケル…焼死」「アカリ…永遠に囚われる」と、恐ろしい予言を次々と示した。"
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"その夜から、奇妙な現象が始まった。翌朝、教室の黒板には、誰も書いた覚えのない文字が乱雑に書かれていた。「お前たちを…許さない…」震えるような筆跡で。生徒たちはざわめき、アカリは背筋が凍るのを感じた。"
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"数日後、誰もいないはずの放送室から、奇妙な声が流れ出した。それは、まるで子供が歌うような、しかしどこか不気味な子守歌だった。校内放送で流れるその声に、生徒たちは恐怖を感じ、耳を塞いだ。アカリは、それがコックリさんの予言と無関係ではないと直感した。"
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"そして、最初の犠牲者が出た。ケンジが、自宅の部屋で首を吊って発見されたのだ。彼の顔は苦痛に歪み、まるで何かに操られたかのように見えた。警察は自殺と断定したが、アカリはコックリさんの予言を思い出し、それが現実になったことに震え上がった。"
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"次はユミだった。プールの授業中、誰も見ていないところで、彼女は水中に引きずり込まれるようにして溺死した。監視カメラには、誰もいないはずのプールサイドから、黒い影がユミを水中に引き込む様子が映っていた。アカリは、残されたタケルと共に、自分たちも同じ運命を辿るのではないかと怯えた。"
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"タケルは、恐怖から学校を休むようになった。しかし、安全な場所などなかった。ある夜、彼の家が火事になり、タケルは焼死体となって発見された。焼け焦げた部屋の壁には、炭で書かれた「次は…お前だ…」という文字が残されていた。アカリは一人になった。"
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"アカリは、コックリさんを呼び出した教室へと向かった。何か、手がかりがあるはずだ。机の上には、あの時の紙がそのまま残されていた。紙を裏返すと、そこには薄く、しかしはっきりと、別の文字が書かれていた。それは、この学校で過去に起こった、ある生徒の悲劇について記されていた。"
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"その生徒は、いじめに苦しみ、この教室でコックリさんを試した。しかし、彼女が呼び出したのは、復讐を望む自らの怨念だった。そして、彼女はコックリさんの儀式を終えることなく、この場所で命を絶ったのだ。彼女の怨念は、コックリさんを呼び出した者を、自分と同じ運命に引きずり込む力を得ていた。"
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"アカリは真実を知った。そして、コックリさんの予言通り、「永遠に囚われる」運命を受け入れるしかなかった。教室の窓から差し込む月明かりが、彼女の顔を青白く照らす。彼女の瞳は虚ろで、まるで魂が抜けたかのように見えた。彼女は、この学校の新たな囚人となったのだ。"
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