おやすみの旅 fantasy story for 3-6 years children in Japanese featuring healing themes

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おやすみの旅

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"まぶたが重い夜。一日のあれこれが、まだ頭のなかをぐるぐる。ベッドにもぐりこんでも、羊は一匹もやってこない。"
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"と、ちりん。小さな鈴の音。窓の外に、ふわふわの雲に乗った小さな羊がいて、にっこり笑って手招きをしていた。"
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"「さあ、おやすみの旅に出かけよう」羊は優しい声で言った。わたしはそっと窓枠に足をかけ、やわらかな雲の上に降り立った。"
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"雲はゆっくりと夜空へ。街の灯りは、遠くでまたたく宝石のよう。「きれい…」ざわめいていた心が、少しずつ凪いでいく。"
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"「まずは、今日の『がんばり』を星にしよう」羊が言うと、胸の中からあたたかい光がいくつか飛び出して、夜空の星になった。"
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"「次は、今日の『心配事』を月に預けよう」わたしの心の隅にあった小さな影が、すーっと伸びて、まんまるな月に吸い込まれていった。"
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"体がどんどん軽くなる。羊と一緒に、銀河の川を渡っていく。星の魚たちが、きらきらと跳ねて挨拶してくれた。"
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"「着いたよ。ここは『夢見の丘』」見渡す限り、やわらかな苔の絨毯が広がり、心地よい香りが鼻をくすぐる。"
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"「ここで、ゆっくりおやすみ」羊はそう言うと、わたしの頭を優しく撫でた。だんだん、まぶたがとろけていく。"
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"心地よい重さに包まれて、深い深い眠りの海へ。おやすみなさい、わたし。また明日、新しい光の中で。"
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